勤怠管理の基本は、企業が自社社員の出勤時刻及び退社時刻を正確に把握し、長時間労働の是正や賃金計算等に活用するとともに、業績を向上させることです。しかしながら、最近、その管理が不十分であったため不払い残業や三六協定違反といった労働問題や長時間労働による健康被害が数多く発生しています。こういった不適正事案が発生する背景には、社員の勤務形態がフレックス制など多様化し、社員の勤務時間を正確に把握できなくなったこと、ノルマ至上主義により、社員が自主的に長時間労働を行っていることが上げられます。つまり、本来、企業に義務付けられている出勤時刻及び退社時刻の把握ができていないことになり、法律違反を犯す可能性が高まっていることになります。

不払い残業や健康被害といった不適正事案を防止するためには、出勤時刻及び退社時刻を正確に把握する仕組みづくりが必要であり、そのための方策としてタイムカードが見直されているのです。最近では、セキュリティ強化のため、社員がオフィスに入退出する際はICカードなどで記録を残していますが、このシステムにタイムカードを応用させれば客観的な証跡を残せますから、社員一人ひとりの勤怠管理が可能となります。もちろん、タイムカードを導入すれば問題が解決するものではありません。一番大切なのは、職場の管理監督者をはじめ、社員が勤務時間を守るということを強く意識するとともに、8時間の勤務時間の中で、精一杯の業績を向上させることなのです。

つまり、勤怠管理は社員の健康を守り、業績を向上させるためには、とても重要な概念なのです。